乳がんとは

乳がんは、日本人女性が最も多く罹患するがんの一つで、9人に1人が乳がんと診断されています。
毎年約9万人以上が新たに乳がんと診断され、そのうち約1万4千人が命を落としています。しかし、Ⅰ期(早期)の乳がんでは10年生存率が約99%と非常に高く、早期発見と適切な治療によって完治が期待できる病気です。
そのため、日常的なセルフチェックや定期検診を欠かさず行うことがとても重要です。
乳がんは、30代後半から発症率が増加し始め、40代と60代でピークを迎えますが、20代の若年層や70代以上の高齢者にも発症する可能性があります。
また、乳腺組織は男性にも存在するため、稀ではありますが男性乳がんが発症するケースもあります。
乳がんの発症部位

乳がんは、母乳を作る「小葉」や母乳の通り道である「乳管」に発生します。
特に乳管内(乳管がん)での発症が多いですが、小葉(小葉がん)から発生することもあります。
発症部位は乳房の上外側が多い傾向がありますが、どの部位にも発生する可能性があります。

乳がんの症状

乳がんの最も一般的な症状は「しこり」です。
そのほかに、以下のような変化が見られることがあります。
これらの症状があるからといって、必ずしも乳がんというわけではありませんが、早めにご相談ください。
乳がんの検査方法

当院では、乳がんの診断に次のような検査を行っています。
患者様の症状や状態に応じて、最適な検査を組み合わせて実施します。
乳がんのステージ

乳がんのステージは次の3つの要素に基づいて分類されます。
早期発見と治療開始が、予後の大幅な改善につながります。
乳がん治療へのアプローチ

乳がん治療は、患者様の状態やがんの特性に応じて、局所治療と全身治療を組み合わせて行います。
手術
乳房の一部を切除する「乳房部分切除術(乳房温存術)」や、乳房全体を切除する「乳房切除術」があります。
乳房切除術を受けた場合でも、希望に応じて乳房再建術を行うことが可能です。


放射線治療
手術後に乳房やリンパ節への再発リスクを低下させる目的で行われます。
薬物療法
乳がんのサブタイプや進行度に応じて、化学療法、抗HER2療法、内分泌(ホルモン)療法を適切に組み合わせて治療を進めます。

当院の対応について


当院では、乳がんと診断された患者様が安心して治療を受けられるよう、専門の医療機関への紹介を行っています。
患者様のご希望や状況に応じて、最適な医療機関をご案内いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
治療後は、当院にて経過観察やホルモン治療を継続して受けていただけます。
また、他の医療機関で乳がん治療を受けられた方のフォローアップも承っています。
乳がん治療やその後のケアについてお悩みの際は、ぜひご相談ください。